Release: 2022/11/24 Update: 2022/11/25

イベント(コミティア142)出展について

こんにちは。sacom worksです。

年末も重なっておりますが、大型案件のご依頼をいただいておりかなりバタバタしております。

工程もかなりカツカツで、かなりシビアな工程管理を求められております。

そんな工程の中でイベント参加させていただくのも恐縮ですが、漫画事業の営業活動のため(いわゆる二次創作ではない)オリジナル創作作品の即売会「コミティア142」に参加するため、11/26(土)から11/28(月)の間、新規お見積りを休止させていただきますので、ご了承ください。

また、それ以外の期間はお見積り可能ですが、工程がかなり詰まっているので、着手が早くても12/15以降となる見込みです(ご注文の状況により生産が年明けにズレることも予想されます)。

イベント出張に関して:漫画事業の話

漫画事業に関しては地元沖縄で「ラッキーキャッツルアーフィッシングスクール」を執筆・発売し、地元の書店と釣具店、WEBショップで販売させていただいたのですが、1巻が完売し取次店様などからのお問い合わせがあっても納品できないという状況です。

今になってラッキーキャッツを読み返すと、よくもまあこの絵で売ろうと思ったなという恥ずかしさと・・・購入いただいた皆様への感謝しかありません。

今回コミティアに持って行く「仲西ヘーイと ひよっこ釣りガール」はラッキーキャッツのリメイク作品でもあります。

描き方を変えてみたり、できるだけ精度が上がるような工夫をしてみたり、キャラのポジショニングを変えてみたりといった具合です。

「結婚したい」と言うファンを持つキャラクター「仲西ヘーイ」さんをメインにしたり、今回の②ではラッキーキャッツでは主役だった、そして、刺繍製品として生まれ漫画を描くきっかけとなったメイドっ娘たちが登場します。

今回の原稿はエンターテインメント性や作画の精度向上を目指して描いたつもりではありますが、今回のブースが「少年漫画」ジャンルということで、周囲はガチプロもいるという状況(前回は「動物」ジャンルでなんかちょっと場違い感パナかったんです…)でかなりの緊張感もあります。

それでも「描き続けられている」ということは簡単なようでめちゃくちゃ難しい事だとも思っていますし、おそらく今の自分に漫画のセンスがあるとすれば、「描き続ける力」に尽きるのだと思います。

脱線:絵がうまくなりたい!

漫画家志望やイラストレーター志望、絵がうまくなりたいと言う人は結構いると思います。

たとえば子どもの保護者会などで「絵に興味あるけど、ドラえもんすら描けないんだよね」という人はかなり高確率でいます。こうしたキャラクターはシンプルに見えてきっちり描かないと形にならないものなので、むしろ難しいものでもあるのですが、普段絵を描かない人や苦手意識がある人にはなかなか理解しがたいものです。

一番良いのは見て描くことなのですが、これもまたなかなか難しい技術であり、私も苦手だったりします。

本当に漫画やイラストが好きな人にも、描いてみようとはするものの、ちょっと描いては自分の絵で絶望し、愚痴をこぼす人が一定程度います。

絵が好きすぎて高望みする人に結構多いパターンなのですが、(取り組んだ時間にしては)さほど悪くないはずなのに不満ばかりを言い、結果的にどこかで諦める流れを何名か見ています。

こればかりは自分の能力を受け入れることと、練習と工夫、実践の繰り返ししかありません。

昨晩のサッカーワールドカップで日本代表が格上のドイツを破ったというめでたいニュースがありましたが、練習も試合もせずに日本代表になった人なんていないじゃないですか。

絵が上手い人って、とんでもない量の練習をしていたり、本人は決して練習だとは思っていないけれど、我々が見ていないところで(遊びやライフサイクルの中で)とんでもない量を描いていたりするもんなんです。

そんな事はちょっと考えれば誰でもわかるはずなのですが、絵に関しては、なぜかそれが受け入れられない人が結構いるのです。「自分にはセンスがない」と…。

「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、この格言は的を射ていると思います。というのも私の子供は受験そっちのけで毎日イラストを描いていますが、恐ろしい速度で上達しているためです。というか、既に私よりも上手い。

時には「スランプだー」なんて言うこともあるんですが、数日経ったらまた何か別のものを描いているのです。私は「この部分めっちゃ上手く描けてる」と褒めるし、「この部分は工夫したほうがいいかも」とか、「こういう(難しい)カット描いてみたら」という課題も与えるようにしています。

私自身はさほど上手いわけでもなく、今の絵で満足できているわけではありません(なので原作や魚、背景などアシスタントに廻るのもありと思ってます。試作物なんです)が、「PDCAサイクル」を取り入れ、またPDCAサイクルを廻すことに重点を置いて、漫画を描くようにしています。

「PDCAサイクル」とは物事は計画、実施、点検、改善のループでできているという概念ですが、「絵が上手くなりたい」けれども上手くいかない人は、計画と点検だけが先走って、ループを廻せていない人がいる、ということなのだと思います。

PDCAサイクルをたくさん廻すためにも「完成させること」が大事だと思います。そして喜ぶことです。

漫画もイラストもスポーツも、気負わなければ趣味としても楽しめますから、難しく考えずに気軽にチャレンジしていただくのが一番だと思います。スポーツのような制約がない分、「画伯」と呼ばれる面白センスのイラストがバズったりするのも、絵や創作の面白いところだと思います。

スポーツ中継を見ながら「俺が監督ならこうする!」とか熱く語るのも趣味の世界ですし、一種の創作だと思うんですね。

ちなみに私はせっかちなので、「練習は練習にしかならず。実践あるのみ」という感じで現在に至っています。

私が好きな映画「ブラックホークダウン」では、撮影に先立って役者さんが軍事訓練を受けています。若いレンジャー部隊隊員役の役者陣は行進などの軍人の基礎から、特殊作戦部隊デルタ隊員役の役者陣はドアの爆破からはじまり、効率の良いマガジンチェンジなどのレクチャーを受け、最終的に実戦形式の訓練を受けたそうです。

自分はデルタ役のレクチャーが好みで、漫画教室などでも「練習は練習にしかならないから実践重視で」と教えるようにしています。

漫画家を演じているうちに必要なことを吸収していけば良いのではないか。

練習するにしても、ただ何となく練習するのではなくて、必要性やテーマを絞ったり、弱点を補うことを練習するのが効率的だと思うんですね。それなら、弱点を克服するために実践的に絵を描くというのもアリでしょうし、自分がやっている事がそれなのです。

そんな感じで描き進めた新刊「仲西ヘーイと ひよっこ釣りガール②」を携えての出張となります。

旅費や印刷費をかけての一大プロジェクトでもあるため、物怖じせずに積極的な営業活動をしてゆく所存です。

なぜ漫画なのか。様々な問題解決のために

正直、40過ぎてから漫画家にチャレンジするのは無謀でもあり、もっと真剣に刺繍製作に取り組めば儲かるのになと、つくづく思うこともあります。

ただ、PDCAサイクルが好物の自分は「問題解決」の人間であるとも思っているので、刺繍製品のみを作り続けることで満足できないというのが正直な気持ちです。

(なお、問題解決の過程で色々壊すタイプなので・・・スクラップ&ビルドってやつだと思います)。

たとえば刺繍ワッペン作りに関しては、高校生の時にサバゲーチームのパッチを頼んだらものすごく高価だった経験から、偶々我が家にやってきた刺繍ミシンとソフトで「もっと気軽に安心価格で作れる仕組みを作れないか」という思い付きから現在に至っています。これも一つの問題解決と言えます。

刺繍事業を始めたての頃はどこかの刺繍店で修行していたわけでもない自分が、見様見真似ではじめたものでしたが、いつしかメーカーに技術提供するまでになりました。

お金を儲けるという点では何の問題解決もできていませんが・・・(汗)

「漫画家になりたい」というよりも、釣りの問題解決のために漫画を使っているという感じがあります。だから上手くいかないという実感もありますが、目的があるので書き続けられるという利点もあります。

実は自分が死ぬまでにやりたい事とは、地元の川や海をもっと良い状態にし、これからも釣りが楽しめる場所を残したいというものです。

釣りや地域環境に関する問題を自分なりに解決したい、または自分なりのやり方で問題提起し、解決に向かわせたい。その解決手段の一つが漫画なのです。

思い返すと私は「川をきれいにしたい」と工業高校の土木科に進学しました。高校で専攻しサラリーマン時代に取り組んだ土木の技術は、刺繍にフィードバックされており、不思議な縁を感じます。

ちなみに作中に登場するキャラクター「ぶなっしー」こと橅ヶ谷さつきちゃんも土木科の生徒という設定ですが、私が言いたいことを代弁してくれるキャラクターでもあります。

話がだいぶ散らかってしまいましたが、刺繍事業はもちろん継続していきますが、並行して釣りや地域環境の課題解決のために、どうしても漫画家として活動し、アニメまで作るという目標があります。

ここがゴールではなく、野望はまだまだ先の話がありますが、それはまたそのうちに。

コミティアよろしくお願いいたします!

めちゃくちゃ無謀な話をしていると思います。

漫画家としてはスタートラインが遅く、年齢的に厳しいでもあります。

だからこそ、他の漫画家さんがやらない事、考えつかない事を全力でやるんです。

特に「アニメ作るなんて、予算どうするんだよ!」という話については、おそらく私(sacom worksの中の人)の経歴じゃないと絶対にできない手法だと思いますので。

そんなわけで11/27(日)東京ビッグサイトで開催される「コミティア142」に参加しますので、ぜひともよろしくお願いいたします。



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