Release: 2024/10/11 Update: 2024/10/11

刺繍パッチ(ワッペン)のデザイン。もう作っちゃったけど「大きさ」を考えていなかった時のセルフチェック

おはようございます。sacom worksです。

刺繍パッチ(ワッペン)を発注するなんてことは生涯に一度あるかないかのことだと思うので知らなくて当然なのですが、糸と生地を材料に小さな絵柄を作るものなのでできる事には限界があり、デザインを作るうえでのルールがあります。

本格的な印刷の世界では「実寸」でデータを作ることとなっており、建物や橋なども実寸を踏まえて設計されているものです。刺繍パッチも同様に「実寸」を踏まえてデザインされている必要があります。

また、本格的な印刷物だとまずは「A4で印刷するかB4で印刷するか」という具合に大きさを決める必要があり、これもまた刺繍パッチも同じです。

とはいえごく一般の方にはそんな事が知られているはずもなく、あと付けで大きさを決めてしまうパターンが圧倒的に多いのです。

そこで皆様がデザインされた図案を刺繍パッチ化できるのか、セルフチェックする方法や刺繍化できるための方法を紹介いたします。

・デザインをプリントアウト(印刷)したもの

・ものさし 1mm単位で長さを計れるものなら何でも可

1mmのサインペン(※ボールペン不可)

・コピー機(コンビニコピーなど)

刺繍パッチのデザインにおいてはまず第一に「大きさ」を決めることにあります。

大きさは取り付ける場所や用途に起因しますが、服などに取りつけるものであれば10cm×10cm以下が多いです。

また、大きくなればなるほど細かい図案を作れますが、「サイズが大きくなる」「デザインが細かくなる」ということは製作単価が上がるということでもあります。

たかが1cm違うだけでも面積(二乗)でかかってくるので、思いのほか単価が上がるものなのです。

張り切ってデザインしたものが刺繍化できる事がわかったけれど単価が爆上がり…なんてこともあるので、先に大きさを決めることはコスト面でも大事なのだと思います。

さて、大きさを決めるにあたり忘れてはいけない事に「刺繍パッチには縁取りが必要」があります。縁取りとはパッチを切り出した時のほつれ止め処理で、sacom works(独自の二重ツイルヒートカット)では3mm幅必要となります。これより細いと処理が荒くなるので、ワッペンの縁取り3mmは固定です。

この縁取りの両端分6mmを引いた大きさが、想定する大きさとなります。

次に既に完成しているデザインを印刷しておきます。

印刷したデザインにフチが設定されているならばフチを除いた大きさを、ものさしなどで計ります。

印刷したデザインにフチが設定されていないならば、そのままの大きさをものさしなどで計ります。

長方形などであれば縦横どちらでも構いませんが、たとえば縦長の刺繍パッチであれば通常は縦の長さ(高さ)になると思います。

それぞれ数値を算出したところで、下記の要領で縮小(拡大)コピーします。

  • =想定する大きさ(mm)-6mm
  • =印刷したデザインの大きさ(mm) ※フチを省く
  • 縮小(拡大)コピーの比率(%)= A÷B×100

なお、カラフルな図案であれば、単価が割高でもカラーコピーにした方が良いと思われます。

【計算例】

作りたい大きさ 80mm → 80mm-6mm= 74mm

プリントアウト(印刷)した図案のフチを除いた大きさ 152mm

74÷152×100=48.68 ・・・四捨五入して49% 

縮小(拡大)コピーしたものが想定している大きさになっているか、ものさし等で再度確認します。

想定している大きさになっているなら、細い線や小さな字を1mmのサインペンでなぞったり、枠外で同じ大きさに描いてみます。

逆に1mmのサインペンで描ける文字は刺繍できる可能性があります(書体によります)。

冒頭でも紹介したとおり、デザインありきではなく「大きさを決めてデザインする」「実寸でデザインする」が、綺麗な刺繍パッチを発注いただくための重要なコツであります。

sacom worksでは現在手書き原稿を受付しておりませんが、Adobe illustratorやPhotoshop、Clip Studio paintなどの作画やデザインソフト、その他のアプリ等でデザインに入られる前に、「大きさを決めたうえで、その大きさの枠内に1mmのサインペンで手書きしてみる」を推奨しています。

いきなりパソコンやスマホなどで作画するとサイズ感を忘れがちな傾向があるので、あらかじめ1mm幅のサインペンで刺繍できる太さの感覚をつかまえていただければと思います。

なお、色の制限(数が限られておりグラデーションは不向き)があったり、受付できない図案などもありますので、下記リンクもご参照のうえデザインを製作いただけると、より確実で良い製品をお届けできるものと思います。



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