Release: 2024/08/24 Update: 2024/08/24

近況 2024年08

こんにちは。sacom worksです。久々の更新となりました。

ありがたい事に、比較的お仕事が少ない6月にどっとご注文があり、ようやく落ち着いたところです。

また、ここ数か月、心が空回りしているような、なんともいえない調子の悪さがあります・・・。

当面新規ご注文を中止していたり、30枚以上の制限をかけさせていただいておりましたが、現在は新規10枚以上の制限に戻させていただいております。

sacom worksは夫婦二人で営業している、小さなWEB刺繍店でもあります。

小さい業者なので技術に全振りして勝負しておりますが、たびたび作業(と脳みそ)がパンクすることがあります…調子の悪さも相まって、ここしばらくパンクが続いていました。

従業員を増やしたい気持ちもないわけではないですが、業態的に多数の従業員を抱えてもしんどいだけ、という見通しもあります。物量で勝負するなら海外の刺繍工場には太刀打ちできません。

そんな感じなので、どこにも真似できない緻密な製品を作ろうというのが、我々(夫婦二人ですが)の考え方なのです。

刺繍パッチ(ワッペン)はシャツや下着のように生活の中に必ずしも必要なものではありませんし、パッチがないと何かができないわけでもありません。パッチを付けたからといってサバゲーが強くなるわけでもなく、むしろないほうが迷彩効果が高まり、わずかではありますが軽量化につながります。

しかし、人と人をつなぐコミュニケーションツールであり、また、心の拠り所になりえる素晴らしいツールでもあるのが、刺繍パッチの魅力でもあります。

なくてもいいけれど、あると心が豊かになるものなのです。

漫画事業については相変わらず「担当編集者が付いた」状態には変わりませんが、7回目のネーム提出ののち、しばらくの間、企画のリテイク作業で三歩進んで二歩下がる状態を繰り返しています。

何度か紹介したかもしれませんが「担当編集者が付いた」とは、持ち込みするにしても完成原稿ではなくても良い、連載前提で企画作りや下書き状態のネームでやりとりできる状況です。

ネームはこんな感じ↓

かれこれ1年半になりますが、それだけ時間がたって、7回もネームを出して連載に至らないというのはセンスがないのでは・・・と思ってしまいますね。

とはいえ実際の漫画業界では普通のことらしく、現在ご活躍されている漫画家の先生方でも、連載に至るまでに結構な年数がかかったり、実績のある先生でも新規企画では何度もネームのリテイクをなされて連載を勝ち取っているそうです。

リテイクといっても全部やりなおしという事ではなく、現在は「おもしろいキャラクターのかけあわせを作る」という課題をいただいております。

このような状況が続くと、どこからともなく「俺が話考えるよ」という方々から進言をいただいたりするのですが、必要なのは話ではなく面白いキャラクターなのです。

また「話を考える」といっても、全体的な構成を聞くと「そんなのお前が考えることだろ」なんて言われたりするものです。「僕が考えた最高のシチュエーション」は、創作をしない人でも意外思いつくもののようです。

物語を最初から最後まで、盛り上がり(ピンチ)を設けて構成することもなかなか難しいのですが、それよりもはるかに難しいのが、「人格を持ったキャラクターを、面白く魅力的に作る」ということだというのが、ここ最近の気づきでした。

私が漫画を描き始めたきっかけは、刺繍製品から生まれたキャラクターたちを動かしたいというところからでした。

しかし、人格を持った魅力的で面白い人格にビジュアルを付けるのが本来の工程です。そのキャラクターをかけあわせて面白い話(物語)を作ることになります。

「そんくらいできらぁ!」って方は漫画でも小説でもいいし、すごく短い作品でもいいので、今すぐ創作に取り組んだほうがいいです。形にできるなら絶対にセンスあります。

ちなみに「漫画家志望」の人の9割が1作も完成させないままフェードアウトするという説があります(私も何名か見ています。)

私がやりとりさせていただいている編集部には読み切りがなく、数回の会議を突破したら連載となりますが、連載に至った場合、事業化に当たり出版社側から数百万単位の投資がなされることとなります。

なので相手方も真剣であり、手厳しくなるのも当然のことです。徐々に課題が難しくなっているのも「最高の作品をリリースして、多くの方々に読んでもらおう(=買ってもらおう)」という当たり前のことと(おそらく期待もあってのことだと)思うので、なんとか食らいついて形にしたいところです。

取り組んでいる企画はもちろん釣りを題材にしたものですが、既に複数の作品が発表されているジャンルでもあるので、慎重になっているフシもあります。とはいえ、ルアービルダーや釣り船船長、書籍の執筆を経験している私の最大の武器をふんだんに生かせるジャンルであることは間違いありません。

これまでの様々な課題は、一つ一つが力になっている実感はあります。

最近だと構成のたたき台が2時間ほどで作れるテンプレートを完成させました。

三幕構成など様々な創作論を加味しつつ、直接描き込んでビジュアル化できる仕組みです。このような「仕組み」を作るのが好きなようです。

ものづくりと釣りの話つながりでは、5年ほどまえに頓挫してしまった私が製作していたハンドメイドルアーの量産版が、沖縄の釣具メーカー株式会社Boggy様より発売されました。

沖縄に生息するイワシの仲間(ニシン科)であるミズンが集中的に捕食されていることに着目し、もう20年以上取り組んできたハンドメイドルアー「MZ10」が、強化されて量産されることとなったわけです。

作り始めた当初はバランスを取るのが難しく、全く飛ばない不安定なルアーでした。それでも胃袋から出る魚をモデルにしているだけに、誰にもヒットがなくてもこのルアーだけはアタリがあり、数々の釣果を得ています。

製法や形状を変え、壊れやすく空気抵抗になるリップを無くしたりして現在の形となり、原型やウェイト配置、設計思想はそのままに強化されたプラスチックボディに生まれ変わりました。このサイズのルアーとしてはやや高額ではありますが、ミズンの群れに学習している魚には、他のルアーが追随できない効果を発揮してくれるものと思います。

ミズンベイトのナブラ撃ちの釣り、ここ数年全く行ってないなぁ・・・

ちなみにミズンは沖縄以南の紅海までの世界中に生息しているとされ、マイワシにもマッチできるので、必ずしも沖縄だけで有効というわけではありません。全国、全世界から釣果が上がってくることを楽しみにしています。

あと、2週間前に全国ネットのテレビ番組の取材を受け、タレントさんをガイドしました。めっちゃいい人でした。放送が決まり次第紹介したいと思います。



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