【受付状況】10枚以上、10㎠以上

【作業混雑中】新規分の量産はすぐに着手できない見通しです。

 

Release: 2022/04/09 Update: 2022/04/13

刺繍パッチ・ワッペンを作るなら、価格は安いほうが良いに決まっている!…けれど。見積もり方式と固定単価方式のメリットデメリットを比較考察する。

こんにちは。刺繍パッチ・ワッペン製作のsacom worksです。

本日はお客様が恐らく気になるであろう「価格」についてのお話を書いてみようと思います。

ざっくりとした内容は

・sacom worksでは見積もり方式を採用(作例をもとにした参考価格を公表)

・見積もり方式を採用した理由。メリットとデメリット

・明瞭会計「固定単価方式」のメリットとデメリット

・価格以外にも考慮したい事

・材料費高騰などによる価格改定について

です。

そんな話より価格が知りたい!という方はこちらのリンクよりどうぞ。sacom worksでの参考価格を掲載しています。

sacom worksはデザインと大きさ、枚数の情報をいただいてからの見積もりとしています。

最近だと先に値段を出して明瞭会計にしている業者様もおりますが、色々検討した結果、やはり見積もりだなと思った次第です。

本日は固定単価方式と見積もり、それぞれのメリットデメリットの分析を書いてみようと思います。

刺繍パッチ製作との出会いと価格

私が刺繍パッチを作ろうと思ったのは高校生の頃にさかのぼります。

高校時代にサバゲーチームを主催し「チームのパッチを作りたい!」と思ったので、近所の刺繍店に足を運びました。

チームのメンバーたちと

そこまで難しい図案ではありませんでしたが、見積もりは10枚作った場合で1枚3000円とのこと。

エアソフトガンを買いそろえるのも大変だった時代、1枚3000円は手が出せず断念…(ちなみにうちで作ったら半額くらいかなと…)。

その後、高校生の時にジグザグミシンで自作したパッチ

その後、高卒でサラリーマン(土木の技術屋)として10年ほど働き、脱サラしたタイミングでコンピュータミシンに出会い、刺繍パッチ製作の仕事を開業してしまいます。

なんとか作れそうだという実感はありましたが、刺繍業界にいたわけではないので、値段のつけようがありませんでした。

そこで他者様のサイトを参考に金額を算出しようと考えましたが、当時はどの業者様も「見積もり」という形だったので、結局わかりませんでした。

つい最近の話ですが、漫画家さん(高校の後輩)との会話の中で「sacomさんって専門学校で刺繍の勉強したんじゃないの?」という話題になりました。専門学校などに行ったわけではありませんが(そもそも刺繍を教える学校があるのかは不明です)、人生とは不思議なもので、前職である土木のエンジニアの経験が刺繍製品作りに活かされることになります。

まずは刺繍パッチ作りが縫製やデザインよりも土木建築技術に近かったこと。高精度で縫える技術の根底は、土木エンジニアで得た技術を刺繍に応用したことにあります。

見積もりするという事(積算の話)

もう一つは、工事や設計業務の見積もりで使う「積算」に関する知識を得ていたことです。

積算は積算基準(歩掛表)という資料から工数を算出し、単価をかけて工事費や設計業務にかかる費用を積み上げていきます(なので積算と言います)。

「金額がわからないなら、自分なりの積算基準、歩掛表を作ってしまえ!」が、私なりにたどり着いた結論でした。その根拠となる歩掛(計算式)をサイトで公表していますが、お客様の積算は難しいので、参考価格として事例を公表することで見える化し、お客様に安心感が伝わればと考えたわけです。

参考価格のサイト掲載はsacom worksが早かったですが(少なくともサイト作りの段階で、他の業者様のサイトには掲載がありませんでした。)、結局のところ「詳細はお見積りで」という形に変わりはありません。

見積もりは依頼するお客様も、見積もる業者側にも手間がかかる方法でもあります。

このため、「固定単価にして見える化したほうが良い」とアドバイスをいただいたこともあります。また、数年前から固定単価にして完全に見える化されている業者様もおります。

しかし私は、単価を固定化することには見積もりとは違ったメリットもありますが、デメリットもあると考えています。

固定単価の利点と弱点

固定単価は金額が明瞭なのでお客様もわかりやすいし、業者側も計算がしやすいというメリットがあります。これは見積もり形式よりも優れた点です。

メリットがあるという事はデメリットもあるのでは、と私は思います。

というのも、大きさは同じでも図案によって工数がかなり変わるためです。

この図は極端な例ではありますが、左の図案のほうが工数が少ないことは誰にでもわかりますね。

直径8cmのパッチを1枚2000円に固定したとします。

上記はそれぞれ8cmでデザインしていますが、左の図は背景を生地で代用できるため刺繍量が少なくなり、最低ロット(10枚)ならデータ作成を含めて1000円するかしないかくらいの価格で作れます。

それでも固定された2000円のご請求なので業者側はかなり儲かりますが、お客様は実態よりも多く支払う不利益が生じます(そんな事を考えているから儲からないのかもしれませんが…)。

右側は最低ロット(10枚)では、データ作成を含めると2000円を軽く超えてしまう複雑な図案ですので、2000円を超えないよう何かを削らないといけません。

絵を変えるわけにはいかないので、糸の密度を低くする(スカスカになる)、できるだけ手間がかからない方法(簡易なデータ作成方法)を使う、価格の安い海外の業者に下請けに出すなどの方法が考えられます。

糸の密度を低くすればその分早く縫い終わり、材料を使わないので安く済みますが、安っぽくなってしまいます。キャラクターも肌荒れしているように見えるかもしれません。

簡易なデータ作成で作ると、細かい部分の仕上がりが雑になりがちです。

これはマニアの方でもわかる方少ないのですが…刺繍屋的にはすごく気になるところです。

見積もり方式固定単価方式
メリット・図案に対して最適な金額を算出できる・金額が明瞭、わかりやすい
デメリット・お客様、業者ともに少し手間がかかる
・回答までに時間がかかりがち
・価格に対して容易な図案は業者に利益が上がる
・金額以上の難しい図案の仕上がりは?

もちろん、同じサイズでも密度や難易度で値段を分けているケースはありますが、この判断は業者サイドの匙加減によるところも多く、やはり同じことがいえるのではないかと思います。

匙加減といえば見積もりも同じではあるのですが、より細かいパラメーターで計算し、刺繍の実態にあわせた適切な料金を計算して、最良のものを提供したいというのが私の狙いなのです。

刺繍パッチのプライスレスな価値

世界情勢の変化で経済バランスが崩れつつあり円安傾向が続いているため「海外製=安い」とは一概には言えないですが、とある自衛官の方から「配布されたパッチが海外(いわゆる同盟国ではない)製で、テンションが下がった」という話を聞いたことがあります。sacom worksのパッチも使用されている隊員さんで、配布された海外製パッチの仕上がりにも不満があったようです。

刺繍パッチは単に部隊を明確にするためのものではなく、部隊の士気向上につながるツールでもあります。製造地や仕上がりで士気が下がってしまうのは本末転倒です(隊員さんは国内の業者に出したのに、海外で作られたというケースもあると思います)。

もちろん海外製が悪いという事ではありません。国内製品にも言える事ですが、仕上げが悪ければ、やはり安かろう悪かろうなのです…。

なお、ありがたい事にsacom worksの精度を認めていただき、自衛隊各隊からご依頼をいただいております。

まとめ

見積もりは作れるか否か、どうやって作るかを考えて、式に当てはめながら算出していきます。

これは土木建築工事や設計、測量などの積算と同じ要領であり、これらに比べて刺繍製品は規模はだいぶ小さいですが、それなりに手間のかかる作業でもあります。

このため見積もりの作成や返信には時間がかかってしまうので、わかりやすさとスピードでは、固定単価に分があります。

とはいえ、いただいた絵にあわせてきちんと単価をはじき出す今の方法が、お客様が知らないうちに不利益を被ることもなく、全力で良い形に仕上げる手法なのではないかと考えています。そのため、現在もお見積りとさせていただいております。

また、見積もり等を比較することは重要なことだと思います。

加えて見積もり以外の下記の事項についても、検討内容に入れていただければと思う次第です。

【検討内容に入れたい事】

・見積もりなどによる料金比較

・作例……現物を見る機会があるならばそれが一番です。

・納期……納得して作りたいのでsacom worksはゆっくり目です。

・得意分野(例:ミリタリーの実績が多い、スポーツ系が多い、服などへの直接刺繍も対応しているか、など)

価格改定について

こうして料金体系のお話をさせていただいたあとに誠に恐縮ではございますが、昨今の原材料等価格高騰により現在の価格を維持することが困難になってしまいました。

このため5月に価格改定を予定しております。申し訳ございません。

詳細は価格ページでお知らせいたします。