技術情報:刺繍パッチ・ワッペンのデザインのやり方、ルールや注意点など(総合)

このページでは刺繍パッチ(ワッペン)の図案の作り方や、受付できない案件を紹介しています。
※2025年8月、基準に「細い多重線」「色の制限」を追記しています。
糸と生地で再現する刺繍パッチ。適切なデザインを作成するためにも是非ご一読ください。

①大きさを決めて、原寸大でデザインする。
最初に大きさを決めてデザインしないと「細かすぎて縫えない」になりがちです。
デザインに入る前に、大きさを決めましょう。

②パッチの周囲に3mm幅の縁取り(フチ)をつける。
フチは切り出した時のほつれ止めに必要です。ほつれ止め処理はsacom works独自の「二重ヒートカット」が基本となります。
フチには尖った部分を作らず、多色にしないでください。

③線は通常1mm以上(最低0.7mm)。
変形につながるため、すべてギリギリの0.7mmにしないでください。基本は1mmです。
「徐々に細くなる」は、ある程度可能です。

「立体刺繍」は0.3mm程度で書いてください。
特例としてメカ系などに限り、0.7mmより細い線を使える場合があります。
④文字は高さ5mm(漢字10mm)以上。
文字は模様より崩れて見えやすいので、線の太さの基本(1mm、最低0.7mm)を確保しつつ、できるだけ大きくしてください。

⑤急カーブのある書体は避ける。
急カーブのある英数字は刺繍が崩れやすいです。
また、5mm未満の小さな文字では急カーブができがちです。

⑥文字には縁取りを付けない。
必要な線の太さ1mmが確保できていれば可能ですが、糸同士の干渉でぼやけるので、思ったほど強調にならないので避けたほうがよいです

⑦細い多重線は避ける。
作れなくはないですが、糸同士の干渉(模様崩れ)や変形が強くなるので、極力避けるようにしてください。

⑧色には限りがあるので難しい色指定は避ける。
刺繍糸、生地の色には限りがあります。また、素材の違いなどによって色味が違って見えることもあるため、シビアな色設定はしないでください。


生地についてはこちら
⑨グラデーションは避ける。
できなくはないですが、糸と糸の組み合わせで再現するので滑らかさはありません。

具体的なパッチ・ワッペンのデザインの方法
リニューアル版フルカラー漫画「刺繡パッチ・ワッペンデザイン術」をUPしていますので、こちらもあわせてご利用ください。

※手書き図案については受付休止中です。「手書き」ページは下書きの参考としてご活用ください。




【素材・取り扱いについて】
素材や裏面処理、フチの仕上げなどについての情報は、下記を参照ください。
受付できない案件

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