パッチ・ワッペンのフチの処理について

sacom worksでは「ヒートカット」「ロック加工(メローエッジ・メロウエッジ)」「ハンドカット」「折込」の4つの方法で、刺繍パッチの縁取りを処理しています。

 

 

【ヒートカット】

sacom worksでは基本的にヒートカットを使用しています。

理由は耐久性と見た目の美しさ、一定程度複雑な形の処理に向くというのが理由です。

ヒートカッター(という名のハンダごて)で焼き切る方法です。

フチの糸は熱に多少強いレーヨン糸、ベース生地は熱に弱いポリエステルとなります。それぞれの素材の温度耐性の差を利用して焼き切ります。

また、従来のヒートカットは処理が美しくなく、生地がはみ出て汚くなるという問題がありました。たとえば白い生地に黒いフチを形成し、ヒートカットで処理すると白い生地が溶け出して、目だってしまうのです。

独自の手法として「二重ツイル方式」でフチを美しく仕上げる手法を開発しました。これはベース生地とフチの色が違う場合、縁取りと同じ系統の生地をベースにすることで、溶けてはみ出た生地が目立たないようにしています。

二重ツイルには3mm幅の縁取りが必要です。

特例として1mmから対応できますが、ベース生地がポリエステルであり、生地とフチの色が同じであること、またはフチの処理が汚くなることが前提となります。

 

 

【ロック加工(メローエッジ)】

専用の特殊ロックミシンでフチを処理する方法です。

円形や四角形など単純な図案、かつ大量生産に向きます。

フチを包み込むので処理が美しくなりますが、使用する専用ロック糸がフカフカで耐久性がなく、洗濯の繰り返しや使用(サバイバルゲームや自衛隊での演習)で痛みが早いという弱点があります。また、専用糸を用いるので色数が少ないです。(ヒートカットは600色)

以前は「ミリタリーパッチはメローエッジ(メロウエッジ)が本物」という風潮がありコレクターズアイテムとしても重宝しましたが、施工性がよく慣れるとヒートカットよりも手がかからない、失敗しても再処理できるなど生産性が評価され、インシグニアアパッチ(部隊章)などに多数採用されているのではないかと考察しています。

ある程度量が見込めて(100枚以上)、できるだけコストカットしたい円形、四角形のパッチについては選択肢の一つです。該当しない場合はヒートカットをオススメいたします。

余談ですが地元ミシン店の社長のお話では、メローというメーカー?のミシンを使った処理なので、メローエッジと呼ばれているらしいです。sacom worksでは職業用ロックミシンを入手、改造して専用ミシンとして活用しています。

 

 

【ハンドカット】

文字通りハサミでカットする方法です。

二重ツイルで処理可能なので、従来のハンドカットに比べると美しく仕上げることができます。

フチに少しだけ生地が残りますが、耐久性は最高です。

フチの糸にはポリエステルを使用し、裏から接着剤をしみこませて耐久性を上げます。

複雑すぎる形には向かないことと、ロスが一定程度出ること。フチのケバ立ちがあり、洗濯時にホコリを拾いやすいこと、手間がかかるので他の処理に比べ割高になります。

 

【折込】

四角形のみのパッチに対応可能の処理方法です。

ピン角を出したいときにもこちらの方法がオススメです。

ただし折った部分が分厚くなることと、他のパッチに比べ処理に手間がかかるのでコストが割高になります(特にベルクロ取り付け費用)。

 

 

【パッチのフチについて】

上記4種類の方式を紹介しましたが、いずれにしてもひっかかって痛みやすいのが、パッチのフチです。ヒートカットでも「ロック加工に比べると痛みにくい」というだけで、ハードに使ったり洗濯物に雑に突っ込んでしまうと痛んでしまいます。

洗濯のさいは選択用ネットに入れる、ベルクロ方式なら外して別で手洗いするなどすると長持ちします。

デザインにあたっては、二重ツイルに対応するために実寸サイズでフチに3mm幅の縁取りを配置すること、また、角を作らずに先端を丸めることで、耐久性をあげることができます。

デザイン上注意すべき基準については下記のマンガを参照ください。

漫画でわかるパッチ・ワッペンデザイン術(2018バージョン)

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